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2003/3/1
子供の頃のはなし

子供の頃の友達に宮下君という子がいました。宮下君の家は、町のキャバレーでした。家そのものがキャバレーで、店の奥に自宅がありました。宮下君の家に遊びに行くと、バーテンをやっているというチョビヒゲをはやしたお父さんと、ソフトクリームみたいなカツラをした宮下君そっくりのお母さんがいました。そして、家族が仲良く楽しそうなのです。僕がこの家で大変興味をひかれたものは、お店と自宅の境の壁に貼ってある紙でした。「これ何?」って聞くと「一週間の夕飯の献立だよ。ずっとこれだよ」と宮下君。その時は「変なの」と思いましたが・・・今考えると、この家の人達の、旅役者の家族のような団結心と合理性に驚いていた気がします。家族だけの宇宙がそこにはありました。



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