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2003/2/25
子供の頃のはなし

子供の頃、ばあさんたちが働いていた市場の隣が映画館で、よくタダ券を貰って映画を見させてもらいました。かび臭さと混じって売店で売っている安物のパンの発酵した臭いが思い出されます。僕が物心ついたころにはもう小林旭は大スターで石原裕次郎と人気を二分していたそうです。あまり映画の内容はよく憶えていないのですが、とにかく僕は小林旭が大好きでした。映画を見終わって、大人たちが僕に「小林旭のまねをして」と言うと、目を細くして下まぶたをプルプルさせると、大人たちは大笑いして喜んだことを憶えています。今考えると、どこかアウトローに生きる小林旭に轢かれていたような気もします。しかしいまだに、テレビなんかで太った巨体を外股で小林旭が出てくると、正座して彼をみつめて「マイトガイ小林です。」と言ってしまうのも困ったものです。ぼくには小林旭は永遠のスターなのです。



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