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2003/2/2 子供の頃のはなし 子供の頃の友だちに山森君という子がいました。山森君の髪の毛は非常に硬く、一度もブラシをかけたことがないような子供で、たまに行った床屋のハサミが欠けてその床屋の親父が「もう二度と来るな!」と言ったというデマまで飛びかっていました。そして山森君の家もやっぱり極貧で、家の中に入ると、天井に黒い毛布のようなものが張り付けてありました。「あれ何?」と聞くと「雨漏りがするんだ」と言うので、雨森君とか山賊君とか言ってみんなでからかったりしました。そんな山森君の家も高度成長のおかげで自宅の裏でやっていた工場が新しいプレハブに建て替えられました。そのうち自宅も新しくなりました。そして山森君の髪の毛も無理矢理、横に撫でつけられるようになりました。山森君のことをもう誰も雨森君だとか山賊君だとか言わなくなりましたとさ。めでたしめでたし。 |
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