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2017/7/18

「作品にはお手をふれないでください」について。

八ヶ岳で思ったことがまだある。連休ということもあり子供達が多い。子供達に見てもらうのは、本当に嬉しいし、子供達も僕の作品を見て、心ときめいている顔をされると作家冥利に尽きる。

しかし、こういう観光地でのたまたまの出会いで作品を見て、いや、この場所では作品ではなく商品を見て、触っていいものだと思い、やたらに触る。触り方も慣れてないので、ドアーのある作品なんかも無理矢理開けようとする。一応触ってほしくない作品には「作品には、お手をふれないで・・・・」というポップは付けてある。それでも、やめようとはしない。親もいろいろで、たしなめる親もいれば、何も言わずに放任する親もある。ずっとやめようとしない子供には、僕が「壊れたり、危ないからね」と言うと、「そんならこんな物ここに出さなきゃいいだろ?」みたいな顔してこっちを見る親もいる。確かにそうかもしれない。折角の休みに家族でやって来て、見知らぬオヤジに不愉快にさせられたという感じかも。それは、デパートの会場でもあることだけど、高価な商品がある事は知っているので、観光地ほどではない。中には後ろで手を組んで見る子供達もいて、その行儀の良さに関心したりする。親のしつけなのだろう。

歯車の付いた作品や、動く作品は、触って小さな子供の指が危険ということもある。

子供だけでなく、大人でもそうである。こんなこともあった。あるデパートの搬入の飾り付けの時に、まだ「作品には・・・」のポップを出す前で無造作に人形を置いていたら、若い男性が手を伸ばして、いきなり人形をつかんだ。まだこちらも心身共にそのモードになっていなかったので、「それ触らないでください。頭が取れるから」って言ったら、「あっ!すみません」と言って向こうの方に去って行ったので、理解してくれたのだと思っていたら、次の日の午前、デパートのお偉いさんが何人かやって来て、「昨日、苦情のメールが入ったのですが、何かありましたか?」「いや、別に何もありません。ただ、作品の触り方を注意しただけです」それから、担当者が大きく書かれたポップを貼っていった。「こちらの作品は、無垢の木でできています。お取り扱いには、ご注意くださいませ」ま〜いいでしょ。

結局、問題はそこにある訳ではなく、作品と展示する場所があっていないのかもしれない。お土産ショップやセレクトショップで作品を並べているようなもので、それは、触るな!というのも無理があるのだ。 これは、僕自身の問題で、これからの展示や、展覧会を考える時なのだと思う。




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