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2013/11/28

「気づきの時」展

 売井坂 謙太(イラスト)

ウリイザカと読む。まだこの子には会っていないが、この子と切り絵の子は同じ茅ヶ崎養護学校出身だ。その元校長からの紹介で今回の参加になった。この元校長の高山さんは、陶芸家でもある。実は僕は陶芸の高山さんしか知らなかった。彼の作品もかなり面白い!!

校長室には、歴代の校長の写真が飾ってあるものだが、この学校の校長室の写真はこの子の描いた似顔絵がずらっと並んでいるという。これも、この学校に高山さんがいたからそんな事が出来るのだ。まだまだ、養護学校や作業所には、隠れた個性を持った子は沢山いる。その子の個性を見抜く人が、そこに一人でもいたら何かとても楽しくて、新しい未来があるんじゃないかな?って思う。

周りに一人でもサリバン先生がいたら、その子の人生も、周りの人も変わるし、誰でもサリバン先生になれるのではないか?とも思う。今回の映画1/4の奇跡は、そういうことを教えてくれる映画だ。

今日、「気づきの時」展が朝日新聞とタウン紙に掲載された。「障害者アーティスト」の文字が大きく載った。不本意な記事だと懇意の記者はメールで明かした。僕も記事を見て落胆したのは事実だ。今回の展覧会で障害者という言葉を一切使いたくないと思っていた。まず、感じてもらいたいという思いがあったからだ。しかし、社会はそうは容易くはない。この参加者の親御さん達は、記事をご覧になって、「そんなことは、ないですよ。すばらしい記事です」と言ってくれるが、それは、もう、障害者という言葉を超えているからだと思う。新聞や社会は何かしら括りが必要である。記事としてもその方が人の心を動かす。

これは、僕にとって、もう一つ考えさせられることになった。毎日僕はこのことで学習させられている。

朝から、問い合わせの電話が鳴る。会場には、沢山の方が、見に来てくれた。この反響はすごいと思う。でも、これも一時のこと。1週間もしたら、何もなかったように静かになって、また元の生活に戻るだろう。もし戻らなかったら、もう1週間我慢して待てば、元に戻るさ。

 

 




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