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2003/6/21
子供の頃のはなし

子供の頃、紙芝居屋が町のはずれによくきました。(1月26日参照)紙芝居屋のおやじが売るお菓子は特殊なものが多かったように思います。僕が憶えているのは、砂糖のような、ラムネのようなものを四角い形にしたもので、紙芝居が始まるのを待つ間にちいさな鉄のスプーンでその菓子の中央に穴を開けるのです。その穴を大きく開けられたものは、紙芝居屋の木の箱に付いている丸い棒に通して太いのに入るとご褒美をもらえるのです。その穴を開けるのには、唾をつけて柔らかくしながらコリコリ削っていくのですが、たいていの子供は途中でポキッと折れてしまいます。それから、紙芝居屋のお菓子の中でも一番の高級品は、四角くて薄いウエハースにジャムを塗って作る、おやじ特製の飛行機でした。それを食べられる子は滅多にいませんが・・・たしか穴を開けて貰えるご褒美で、一番太い棒に通ると、この飛行機が貰えた事を憶えています。僕はこのウエハースのお菓子は、とうとう一度も食べたことはありませんでした。



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