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2003/7/12
子供の頃のはなし

子供の頃夏になると、僕たちの町の映画館「曙館」では、怖いお化け映画を上映しました。中でも四谷怪談は特に怖い映画でした。映画館のロビーには、お岩さんの祭壇が飾ってあり、それがまた怖さを倍増させるのです。おまけにイエモン役の仲代達矢が、映画を撮っている時に怪我をしたとかなんとか親が話しているのを聞いたりして・・・そして、四谷怪談を見終わってどいうわけか、僕一人で帰ることになりました。曙館から僕の家までは7.8分なのですが、夜の町は静かで、人っ子一人いなくて、ただ生暖かい風が吹いているだけでした。それはさっき見た映画のシチュエーションよりも確実にお岩さんが出やすい感じがしました。木の陰から「イエモンドノ〜ウラメシヤ〜」と出てくるんじゃないかと思うと、足も体も震えながら帰ったことを憶えています。



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