子どもの頃のはなしTOP |
2003/6/23 子供の頃のはなし 僕が子供の頃住んでいた町の近くにH川が流れていました。結構川幅があり、有に10メートルはあったと思います。そしてその川は、すごく汚くて臭く、真っ黒に淀んでいて、川の底の方からあぶくのようなものが出ていました。今考えると、日本が発展するために支払った代償がこの川の姿だったのだと思います。そんなある日、「昨日、H川に人の死体が浮いていたらしい。その死体は水をたくさん飲んでいて、体中、風船のようにパンパンに膨れていたらしい。自殺じゃないか?」という噂が嘘か本当か、子供たちの間で流れました。僕はそれまで、まだ一度も死んだ人を見たことがありませんでしたので、その話に、興味を持ったことを憶えています。それから、H川の橋を渡る度、鼻をつまみながら人の死体が浮いていないか、見るようになってしまいました。もし本当に死体が浮いていたら僕はきっとそのまま気絶していたでしょうが・・・。 |
続き | / | 戻る |