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2004/2/28
行李

木目込みの仕事も佳境に入ってきました。楠の本体に絹を着せていきます。左上に見える行李は「子供の頃のはなし」の出てくる、大きいばあさんが、戦前大阪で料理屋の女将をしていた頃に発注した物だそうです。「末廣」という朱文字が見えます。50だか100だか注文したそうです。そして、小さいばあさん、母と渡り、僕の所にボロボロになって三つ残ってやって来ました。その間、戦争で焼けたり、お米と交換したりして、消えて行ったそうです。行李の中には、貴重な古布も入っていましたが、母が集めた絹の見本帳も有り、僕がこうした木目込み風の作品を創るきっかけになりました。ご先祖様に感謝!



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