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2003/8/3
子供の頃のはなし

子供の頃、確か小学2年生の時だったと思います。子供会で海に行った時のことです。浅瀬だとずっと思っていたのですが、足を一歩のばしたら、その下は何もなく、ドボドボっと海の壺のような所に入ってしまいました。上を見上げると、海が渦を巻いたようになっていて、かすかに海岸ではしゃぐ子供たちの歓声が聞こえたような気がしました。「僕、やばいかもしれない」と思いました。それから必死でもがきました。すると見知らぬおじさんが、僕の体を抱きかかえてくれたのです。そして、陸まで連れて来てくれたのですが、僕はなんと言っていいかわからず、そこの場に立っているだけでした。それから、そのおじさんはにっこりして、何も言わずに立ち去っていきました。今こうして、僕が生きているのもきっとそのおじさんのおかげだと思います。夏が来て水の事故をニュースで見る度に、このことを思い出します。



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