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2003/1/22
子供の頃のはなし

子供の頃の遊び場は路地と冒険山でした。冒険山と言ったって今の造成地のような所で、林があったり大きな土管があったりする、子供の隠れ家のような場所でした。その冒険山に週1回粘土の型屋のおじさんがや って来る時期がありました。型屋のおじさんは、僕たち子供の小遣いをあてにして、石膏で出来た粘土の型や色粉を売るのです。そして、前の週に作ってきた子供たちの作品の品評会をするのです。1等賞を取ったりすると般若の面の型なんかをもらえたりするので、どんどんと子供たちも増え、のめりこんでいきました。僕は不器用だったので一度もそんな賞を貰ったことがありませんでした。そのうちにみんなの熱も冷めてきておじさんも冒険山に来なくなりました。しかし、僕の心に付いた火は消えることがなく、大きくなったらあの粘土の型屋のおじさんみたいに芸術的な仕事がしたいと思うようになったのです。                       



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