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2003/4/18
クリの木のはなし

何故、うちの屋号がクリ工房なのか?という話は1月11日に描いたけど(編集後は「猫」のクリのはなし)、最初は、このクリの木もちょっとかわいそうな感じのする木でした。根っこの辺りの土が雨水で流され、根がむき出しになっていたり、地面から1メートルぐらいの所に、木の皮が剥げて腐りかけていた所があったのです。その穴の大きさは約20センチぐらいあって、大きなアリがいっぱいいました。僕は木の板のことは、ある程度は分かるのですが、生木に関しては皆目分かりません。根っこの所は、土を盛りました。穴の所は枝払いしたクリの木の枝の皮をノミで剥ぎ、その剥いだ皮を穴の中の地肌に張っていきました。(この作業は、誰から教わったというわけではなく、ただ自然にそう感じたのだと思います。)それからどのくらい経ったのでしょうか?気が付くと、その穴がまるで扉が閉まるようにキューと閉まっていきました。それはみるみるというか、段々と、段々とです。今では、昔の傷のように一本の線のようになっています。僕はこの木の生命力と僕の心との繋がりを強く感じました。



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