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2003/4/24
自分の作品を買った話



何年か前、僕の住む町のリサイクルセンターに、中古家具を見に行った時、雑貨品のコーナーで僕の作品を見つけてしまいました。その板絵はもう20年ぐらい前に創ったもので、10センチ程の小品ですが、沢山創ったことを憶えています。しかし、まったく売れなくて、この仕事でやっていけるかどうか悩んでいて、挙げ句の果て自暴自棄になり、長男の保育園のバザーに全部寄付してしまったのです。5円という値段が付いていました。値段のせいかすぐに全部売れたようです。そんな古い記憶がよみがえってきましたが、それは、とてもきれいに保存してあったらしく、ほこりや汚れ一つありませんでした。僕はそれを手にとり、値段を見ると100円と付いていました。この板絵が僕の手から離れて僕の手に戻ってくるまでの間のことや、その間の僕のことを考えるとその値段は、それなりに重みのある金額のような気がしたし、20倍になったことで、少し嬉しくなり、「これ下さい。」って自分の作品を自分で買いました。



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